フランチャイズのロイヤリティとは?
コンビニなど何か商売を始めたいと考えた時に、フランチャイズ加盟店になるというのはひとつの選択として有効です。
ノウハウもありますし、仕入れ先などを考える必要もありません。
個人商店と違って知名度もありますから、無名のお店を始めるよりもかなり有利なのは間違いありません。
しかし、売り上げがそのままあなたのものになるわけではありません。
フランチャイズ加盟店は本部にロイヤリティを払う必要があるのです。
このコラムではフランチャイズのロイヤリティがどのようなものか、またどれくらいの金額を支払うのか、どのように使われているのかなど説明します。
このコラムを読めば、フランチャイズのロイヤリティについて基本的な知識が身につきますよ。
フランチャイズのロイヤリティの種類
フランチャイズを展開している会社はたくさんありますので、ロイヤリティの形もさまざまです。
ロイヤリティの取り方としては売上歩合方式、定額方式、粗利分配方式の3種類があります。
ここではそれぞれ説明することにします。
売上歩合方式
売上に対して決められたパーセントのロイヤリティを本部に支払う方式です。
この方式を採用している本部が多いです。
パーセントとしては数パーセントのところから、高い所であれば50%というところもあります。
売上が上がるとパーセンテージが下がる仕組みにしているところもあります。
定額方式
ロイヤリティがあらかじめ決まっている方式です。
支払う額が決まっているわけですから、売上が上がれば上がるほど手元に残る額は増えます。
この方式であれば営業努力をすれば利益が増えますから、やる気が出ますよね。
ロイヤリティの金額は数万円~10万円程度の金額のところが多いです。
粗利分配方式
売上総利益(総売上高―売上原価)に対してロイヤリティがかかります。
売上に応じてロイヤリティのパーセンテージが変動するのが一般的です。
ロイヤリティのパーセンテージは30~70%で業種によって違います。
主にコンビニエンスストアがこの方式を取っています。
フランチャイズのロイヤリティの見方
フランチャイズのロイヤリティは安ければ安いに越したことはないのですが、業種によって大きく違います。
それぞれの業種でどれくらいのロイヤリティが適切であるのかをまず調べてみる必要があります。
それぞれの業種でどれくらいの売上を上げることができるのかが分かっていれば、自分たちの利益がどれくらいになるのか分かるでしょう。
フランチャイズのロイヤリティの相場
フランチャイズのロイヤリティは業種によって相場があります。
それぞれの業種で適切なロイヤリティがあるのです。
また、あまりにもロイヤリティが高すぎると利益を上げて生活していくのが難しい場合もあります。
ここでは、適切なロイヤリティと儲かるフランチャイズ店のロイヤリティ額について説明します。
適切なロイヤリティとは?
フランチャイズのロイヤリティは業種によって相場が決まっています。
ただしブランド力があるところは一般的に高めに設定させていることが多いです。
例えば飲食業のロイヤリティの相場は、3%〜10%程度、学習塾は10%~30%程度です。
コンビニは粗利分配方式で、30%~50%で売り上げが低いほど負担が大きい仕組みです。
大手弁当チェーンは定額方式を採用しており、10万円弱のロイヤリティです。
大手のクリーニング店はブランド力があるため、約30%のロイヤリティを要求しているところもありますが、一般的に売上歩合方式を採用している業種は10%以下の5~8%が多いです。
儲かるフランチャイズ店のロイヤリティ額とは
ロイヤリティが低く、売上をしっかりとあげることができれば、儲けることができるという単純なものではありません。
ロイヤリティ以外にも加盟金や仕入れ金などがかかるため、その費用とのバランスも考えておく必要があります。
いくら売り上げたらどれくらいの利益になるのか、また、そのためにはどれくらいの期間がかかるのかなどしっかりと検討する必要があります。
「○○店はうまくいっている」というような情報を伝えられることもありますが、他がうまくいったからといってあなたがうまくいくとは限りません。
しっかりとした経営計画を立てて判断しましょう。
ロイヤリティによって利益が左右する
ロイヤリティがいくらかによって利益が左右するのは確かです。
私の知っている方はフランチャイズのパン屋をしていましたが、売り上げの50%をロイヤリティで取られていましたので、結局立ち行かなくなり店を閉めてしまいました。
ロイヤリティの額がいくらになるのは重要な要素であるのは間違いないでしょう。
ロイヤリティ3方式の仕組み
ロイヤリティ3方式についてはすでに説明しましたが、それぞれの方式にメリットがあります。
定額方式は加盟店には負担額が、本部には収益が見えやすいというのがあります。
ただし定額制は歩合制に比べて本部の収益が低くなる傾向があるので、他の費用を取る本部が多いです。
一方、売上歩合方式は売上に応じてロイヤリティが上がっていきますので、本部はロイヤリティの額が確定できなかったり、売上が低いとロイヤリティが取れなかったりということもあります。
そのため最低ロイヤリティ額を決めているところも多いようです。
またコンビニなどは粗利分配方式を採用しており、利益に対してロイヤリティがかかるので、負担は減りますが、パーセンテージが高いコンビニもあります。
一方、本部は加盟店の情報を正確に知る必要があるため、管理は大変になると言えます。
ロイヤリティの使われ方は?
加盟店としてはロイヤリティがどのように使われているのか気になるところです。
ロイヤリティが高くてもそれが加盟店のために使われている割合が高いのであれば、納得できるでしょう。
ここではロイヤリティの使われ方について説明します。
加盟店指導員の経営アドバイス
コンビニなどで働いたことがある人は分かると思いますが、本部の人が加盟店にアドバイスをしに来ます。
どのようにすれば売上が伸びるかなど、同じ地域の何店舗かを一人で回っています。
こうしたアドバイザーの人件費や交通費に使われています。
商品開発、サービスの導入
コンビニや飲食店では新商品を開発する必要があります。
また、新しいサービスを導入するにも費用がかかります。
こうした費用にロイヤリティは使われます。
広告宣伝活動
あなたの店舗の宣伝だけでなく、フランチャイズを運営している会社そのもののイメージを向上させる宣伝活動をする必要があります。
コンビニのCMはテレビで頻繁に流れていますよね。
そうした費用にもロイヤリティは使われているのです。
情報システムの構築
本部と加盟店との連携はフランチャイズではとても重要です。
そのためのシステムを構築したり、管理したりするには費用がかかります。
加盟店の売上も管理できなければ、歩合制の場合、ロイヤリティの取りようがありませんよね。
最新データの提供(品揃えに役立てるため)
本部にはさまざまな情報が集まってきます。
天気が悪いときはどのような商品が売れるのか、それを加盟店に知らせる必要があります。
私がコンビニで働いていた時にはテレビでどのような商品が特集されるのか事前に情報が回ってきました。
テレビ放送が終わるとその商品が売れるので、その前に商品をそろえておく必要があるからです。
こうした情報の提供にもロイヤリティが使われています。
会計業務の代行
本部は加盟店の売上を管理できるシステムになっていますから、会計業務も本部が代行できます。
個人商店だと自分ですべてを行わなければならないので、かなり大変です。
こうした業務がなくなるだけでもかなり楽になります。
各種教育研修の実施
加盟店をサポートするためには優秀な本部職員が必要です。
そのためには研修を行う必要があります。
ここにもロイヤリティは使われています。
共済制度などの各種支援制度
加盟店のオーナーがけがや病気で働けなくなった時のサポートにもロイヤリティは使われています。
確かにこうしたことはいつ起こるか分かりませんので、サポートは必要でしょう。